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​インタビュイー * 素笛ゆたかさん

【インタビュー概要】

自己紹介と代表作/創作スタイル/参加イベントと設営/創作との向き合い方/1年後の自分へメッセージ/インタビューに触れてくれた方へメッセージ/今後のイベント参加予定など

<以下、素笛(そぶえ)さんのお話は「素笛」、みん好きの質問等は「み」表記です>

 

み)では、自己紹介をおねがいします。

素笛)約20年、BLやブロマンスを作っている、サークル名「杏仁どーよ」の素笛ゆたかです。

小説、ゲーム、イラストやマンガなどを作っています。人外さんが結構多く出ます。ここ2年間くらいはフルデジ環境になったので、創作BLマンガの「底無し黒のまなこには」というマンガをずっと描いています。

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​底無し黒のまなこには(表紙)

み)「底無し黒のまなこには(以下、黒まな)」を拝読しました。テンポが良く、次を読みたくなる終わり方で1話ずつ進んでいる印象です。次話に繋げる流れって気にされていますか?

素笛)あまり気にしたことはなくて。もともと黒まなは短編小説で、iPadを手に入れマンガを描く環境が整ったので描いてみた作品です。なので短編小説分の区切りはついていました。そこでおしまいにしてもよかったのですが、続きの流れも頭に浮かんだので、そこに行くまで描いてみよう、という感じで描いています。

み)(作品を投稿されている)アルファポリスの目次でいうと、「深黒の来訪者」や「共に在る日々」が短編の区切りでしょうか。

素笛)「果てなき黒」までが短編小説分ですね。それ以降はマンガオリジナルです。

み)小説がある前半と、小説のない後半部分で、気分的な変化や作風の変化はありましたか?

素笛)「果てなき黒」を描いていた時、攻め側のシュウの表情が小説を描いていた時に考えていた表情じゃなくて、マンガに描き出すと勝手に表情が変わってしまったことを感じましたね。「果てなき黒」3話の一番最後のページのシュウは小説を描いていた時はもっと無愛想で、人外から人間の体になりたての表情がうまく作れない状態だったのに、マンガに描き出すと柔らかく微笑んでしまったから、この時点で「小説とは違うな」と思って描いてました。

み)それは意図して描いたのでなく、描いていたら優しく微笑んでくれた感じですかね。

素笛)そうなんですよね。下書きも違うんですけどね、下書きに逆らって描いてるなって。

み)なるほど。それはいい変化というか、マンガだから変わってきた部分というか。

素笛)そうですね。文字の世界だと見えないものが、絵で見えたなあって思いました。

み)小説とはまた違った一面が出てきた瞬間ですね。

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イメージに逆らって柔らかくなった表情

本来のイメージ。無表情に近い。

み)ひとつ気になったのが、更新日時を見るとすごく頻繁に描かれている印象がありました。創作をどういうタイミングでやりたくなりますか。描きたくなる時や、調子いいなって思うタイミングなどは?

素笛)iPadを手に入れてから、日々息をするような感じで描いていますね。iPadは手に入れたらダメですね(笑)。

み)手に入れたら最後(笑)

素笛)昔はB5ルーズリーフやシャーペンで描いていたので、パソコンに取り込まなきゃで。スキャナーのところへ行って取り込む動きがあり、なかなかお尻が重く……。iPadでそのワンステップがなくなったことで、呼吸のように描いてるなって。

み)直感的に描けたり、描きたい時に描ける環境が(創作)スピードにもなっているような?

素笛)そうなんですけど、実は描いてる環境が思いっきり外で描いてるんです。仕事の合間の待機時間に車の中でやったりとか。ひたすら隙間時間ですね。

み)ということは「今日は描くぞ」という感じよりも、コツコツ描き溜めて形になるイメージですか?

素笛)休日に自分の時間が取れた時は、朝活からやってますね。

み)すごいですね。創作が完全に生活リズムのひとつというか。

素笛)そうなってますね。iPadの罪ですよ(笑)

み)全てはiPadの(笑)

素笛)起動すればもう開くっていう(笑)

み)便利ですね(笑)。iPadって画面に直接描いていけるやつです? そうなると、サーッと描けて、書き直しや追加が気軽にできるのでしょうか?

素笛)そうですね、楽ですね。完全アナログでやっていた時は、途中から差し込むことができないのですが、(今は)ページ数増やすのも簡単にできます。

み)デジタルのいいところですね。

 

 

み)この前は(オンラインイベントでお話しした2023/11月)、マンガ以外にもぬいを創作されていたり、Xでは小さいシュウ君を作成されている写真を拝見したりもしました。あれはイベント準備ですか?

素笛)来週の1/21(日)にインテックス大阪で関西コミティア69に参加するので、そこでミニシュウのピンズ出せたらいいなあと思って作った試作です。

み)なるほど。ではコミティアではマンガ以外にも、手作りのアイテムが並ぶイメージですね?

素笛)そうですね。マンガはboothなどで通販できる形なのですが、なかなか手作り品はまだ技術がなく、上手く通販で送ることができないと思ったので、イベントならではのものをその場でお出しできるかなと。

み)(コミティアは)対面のイベントと思いますが、イベント参加は久しぶりですか?

素笛)去年黒まなを描き始めて、ある程度溜まった時に、すっごい久しぶりに出ましたね。自分が出るのは人生で2回目くらいかな? 

み)貴重な2回!

素笛)そうなんですよ。今までは友人が代わりに作ったBLゲームを売ってくれてて、自分がついて行ったのは2回くらいですかね。しかも(当時の参加から)すごい年数が経ってて。

み)なるほど。やはり対面となると気合が入るというか、緊張というか?

素笛)そうですね、あの空気を吸いにいってる感じです。

み)お祭りみたいな感じですかね。

素笛)オンラインも楽しいんですけど、オフラインのイベントの楽しさの空気を吸ってます。

み)今回のラインナップは?

素笛)黒まなの1~4巻と、黒まなの年齢指定付きを2冊程度、上手く作れたらミニシュウピンズ。それと、ぬいのブロマイドも。ぬい親バカみたいな感じで作りました(笑)

み)すごい! 旅先で撮った1枚をブロマイドにしたような?

素笛)「シュウぬい」と「凰太(こうた)ぬい」で可愛い感じのシチュエーションで作りました。それもイベントへ持っていこうかなと思ってます。

み)それが並ぶ瞬間を見たら感動しそうですね。

素笛)そうですね。あのセッティングで達成感があるというか。いろんな方の設営写真を見るのも大好きですね。

み)なるほど。写真見るときは見せ方に注目するような?

素笛)そうですね。雰囲気を見たり、性格や性質が出てて楽しいですね。作品の雰囲気にも出てるのを感じたりします。

み)では、今回のイベントの設営イメージは?

素笛)それが、本が増えすぎちゃって、どうしようかなって。冊数が増えて、グッズもあるし、さらにはシュウぬいと凰太ぬいの本物も持っていこうと思うと空間が足りないので、結構考えてます。

み)そうやってぬいとかマンガとして形になると、主人公たちも綺麗に見せてあげたい熱量が出てくるというか。

素笛)はい。作品の雰囲気とか、この子たちの感じる雰囲気を表して、どうやったら上手く見せられるか修行中ですね。

み)すごいですね。視野が広いというか、どこまでもご自身の創作を大切に、どういうふうに打ち出していってよいかも丁寧に考えてらっしゃるイメージがしました。

素笛)でも大雑把ですよ(笑)

み)楽しみながらが一番ですね(笑)。この「楽しむ」ということが続けるために大事かと思うのですが、創作していて一番楽しい瞬間や経験ってありますか?

素笛)感想をいただけることが本当に嬉しいですね。それと、自分の中だと、完成した紙の本を自分で読んだ瞬間は堪らんですね。

み)なるほど。こうiPadから3次元に出てきて紙になる瞬間というか。

素笛)そうなんですよ。目標が、老後に自分で自分の本を読んで「なんだこれは! すごい萌えるな! 誰が描いたんだ……自分かあ!」みたいになるのが最終目標なんで。

み)いい老後ですねそれ、私もやりたいです!

素笛)いいと思いますよ。誰だこれは素晴らしい! 作者に感謝を……自分かあ! みたいなところに行き着こうかと。自分のツボは自分が一番わかっているので。

み)なるほど。自分のツボを入れ込みつつの作品が仕上がった時には感動というか。

素笛)一番自分の萌えツボを押さえている作品みたいな感じは、自分しか作れないなと思います。

み)そうですよね。なかには読者に向けてウケを狙った観点で創作される方もいらっしゃるように思いますが、自分が納得できるものというか、自分が一番良いと思えるものを出していきたい、ということでしょうか?

素笛)そうですね、自分はそっちですね。自分向けの創作者です。他の方にウケるように作ったとしても偏ると思うんですよね。大衆ウケではないかな。昔からニッチなほうだなと思っているので。

み)自分が一番良いと思える、萌えポイントを詰められる点も、作っている段階から楽しいのかなと思いました。

素笛)楽しいです。

み)好きなものを描いている時って、自然とニコニコしませんか?

素笛)しますね。あと絵だと、描いてるキャラの表情してます。憎しみの表情とかしてると、他から見られると少しヤバい感じになったり(笑)。

み)なるほど(笑)。そうすると、割とキャラクターに憑依するというか、心を寄せて描いていく感じですかね。

素笛)キャラクターの祖母くらいかな、感覚は。

み)ちょうど良いですね! キャラクターの祖母!

素笛)祖母、祖父その辺りの感じかなと。

み)近すぎず、指示を出しすぎず、程よい感じで見守ってくれるような。

素笛)そうです。夜には帰っておいで、くらいな。あとは好きにせい、みたいな。

み)あったかい……! 

ミニシュウのピンズ

シュウぬい&凰太ぬい

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